命のボール

この地方のニュース番組を観ておりますと、花見客で賑わう行楽地の様子が取り上げられ、その一つに愛知県の「小牧山さくらまつり」の中で開催された「チャンバラ合戦〜小牧・長久手の合戦〜」というイベントが紹介されていました。

徳川家康軍と羽柴秀吉軍による史実「小牧・長久手の戦い」をモチーフに、ちびっこも大人も入り乱れてのおよそ100人対100人のスポンジ刀によるチャンバラ合戦が繰り広げられ大いに盛り上がっている様子でした。そして何より、このチャンバラ合戦の秀逸なルールが、参加者全員が片腕に〈命のボール〉といわれるカラーボールをマグネットで装着し、これをスポンジ刀で叩き落とされたら討死というルール。そうすると〈命のボール〉を守るため、大人たちは身体を斜めに向けて相手から〈命のボール〉を遠ざけて撃ち合うフェンシング・スタイルが多くなり、そうかと思えば油断している隙にすばしっこいちびっこの突撃に倒される大人も多いとか。とにもかくにも晴れわたる青空の下、満開の桜に囲まれて大はしゃぎする参加者の笑顔を見ているとこちらまで幸せな気分になってくるようです。

そして、取り止めもないことを考え始めます。
「もし本当に人の命が〈命のボール〉として片腕にマグネットでくっついているものだったら?」
やはりボールを守るためにフェンシング・スタイルの人生を送るのか、それとも自分のボールには目もくれず何事にも突撃していくのか、あるいは今と何ら変わらないものなのか。いや、そもそも本当の命とは目には見えないだけで、片腕にくっついた〈命のボール〉ほどのものではないのかとも・・

我ながら稚拙なことと思いつつ、人の命というものに思いを馳せる桜のニュースでございました。

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