和讃(わさん)という言葉。一般的にはあまり知られていない、使われることのない言葉かもしれません。しかしながら私たち浄土真宗の門信徒にとってはとても大切な仏教用語であります。さっそく和讃という言葉を辞書で引いてみますと、
【和讃】- 仏教の教義や仏・菩薩あるいは高僧の徳や教えを梵讃(サンスクリット語)、漢讃(漢語)にならって和語(日本語)で讃えるもの。七五調の4句を一節とし、曲調をつけて詠じる歌。仏教を日本的に解釈した親しみやすい仏教讃歌として平安時代中期から普及し、鎌倉時代に更に発展した。
とあります。この和讃を数多く後世に残された人物が浄土真宗、宗祖 親鸞聖人ですね。
著書『教行信証』をほぼ完成させたとき、親鸞聖人は75歳になられていたそうです。これに続いて晩年の生涯を懸けて製作されたのが和讃であります。当時の流行歌であった「今様(いまよう)」に影響を受け、七五調の4句を一首とする形態を基本としており、たくさんの人々が口ずさみ、より広くみ教えが伝わるようにとの願いから和讃の製作をされたといわれます。この親鸞聖人の和讃を収めた讃歌集が『浄土和讃』『高僧和讃』『正像末和讃』であり、その総称が国宝に指定されている『三帖和讃』であります。
私たち真宗大谷派において、日常の勤行や法要に用いられる「正信偈」に続いて詠まれる和讃はよく知られています。そのひとつ、
弥陀成仏の このかたは
いまに十劫を へたまへり
法心の光輪 きはもなく
世の盲冥を てらすなり 『浄土和讃』
そして、浄土真宗の最も大切な讃歌であり、最も親しまれている和讃が「恩徳讃」ですね。
如来大悲の 恩徳は
身を粉にしても 報ずべし
師主知識の 恩徳も
骨をくだきても 謝すべし 『正像末和讃』




