何年か前のこの季節のこと、たまたまカーラジオでFM局の番組を聴いておりますと「六月の歌」をテーマにリクエスト特集をしていました。たしかに六月といえば「雨」あるいは「ジューンブライド」など歌の題材には事欠きません。徳永英明さんの『レイニーブルー』、中島みゆきさんの『糸』などの名曲が流れるなか、思いもよらない懐かしい一曲がリクエストされました。まさしく六月に相応しいその一曲が、
『夏だね』
TUBE、1992年
(作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉)
春一番が小さな過去へと
遠くなる 六月
心は上の空 指折り数える
ばら色の夏休み
笑顔が似合う 楽しくなる
理由もなく胸ドキドキ
体中が感じてる 空と海のハーモニー
灼け付く陽射し 激しく揺れ沸き出す勇気
今なら打ちあけられそう 心も程よく夏だね
TUBEといえば夏。1985年のデビュー以来“夏”をテーマに歌い続ける彼らにとっては夏本番だけが夏ソングではありません。むしろ夏を待ちきれない初夏であったり、夏の終わりを惜しむ晩夏にこそ心に残る、胸にグッとくる名曲がたくさんあるようです。
1992年の6月、まだ地球温暖化という言葉も猛暑という言葉も一般的ではなかった時代、若者は陽灼けの色濃さを競い合い紫外線なんか怖くなかった時代、もうすぐ訪れる夏本番を前に仲間たちと夏休みの計画を立てている。海が僕たちを待っている、ドキドキが止まらない、今から指折り数えてる夏休みが待ち遠しい。この曲のメロディと歌詞からはそんな底抜けに明るく元気な若者たちの様子が目に浮かんでくるようです。長雨に気分が落ち込んでいる方にはピッタリの曲ですね。
「六月の歌」に梅雨どきの憂鬱を吹き飛ばすTUBEの『夏だね』をリクエストした方のセンスと心意気をぜひ見習いたいものです。




