野生の動物

所用があって三重県へ行くことになり、多度町の大鳥居をくぐってさらに山道をいなべ市に向かって車を走らせておりますと、
「あっ!」
カーブを曲がった先に野生の猿の親子が目の前に現れて、道路を悠然と横断していました。生まれて間もないであろう赤ちゃん子猿がお母さん猿の腰のあたりにしがみついています。さらに道路脇のガードレール付近には別の子猿が数頭、なにやらじゃれあって遊んでいるのを親猿が見守っている様子。何十年ぶりかに見た野生の猿の群れはじつに微笑ましいものでした。

そういえば、今年の初夏の頃に岐阜市内のコンビニエンスストアに立ち寄りますと入口に、
「今年もツバメの赤ちゃんが産まれました」
という看板が立て掛けてあり、見上げてみると軒下の柱の脇にツバメの巣があり、中から数羽のヒナが大きな口を開けてピーピーと一生懸命に鳴いていました。すると親ツバメがどこからか飛んできて口移しでヒナたちに食べ物を与えています。そのことを何度も何度も繰り返している親子の様子は、まさに子育て奮闘中、しばらく時が経つのを忘れて見惚れてしまいました。

数年前には、各務原に向かって夜間の山道を車で走っていると、ヘッドライトに照らされた数メートル先をイノシシが猛然と横切っていきました。驚いていると次の瞬間、イノシシの子どもが二頭、チョコチョコとその後からついていき、最後に母親らしき体の大きいイノシシが飛び出して目の前を通り過ぎていきました。心臓が止まるかと思いましたが、やがて冷静になると、小さな子どもたちの前後を親イノシシが守っている姿に深い家族愛を感じて少し感動を覚えたものです。

偶然体験した野生動物との遭遇エピソードは、すべてが親子愛、家族愛にあふれていました。生きとし生けるものならば当たり前の自然の摂理にすぎない「子を想う親の心」。人間は大丈夫でしょうか。動物たちから学ぶことも大いにありそうですね。

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