缶詰の中身

『キューピー 3分クッキング』
『キューピー ラジオクッキング』

といえば、CBCテレビ、CBCラジオが制作する家庭料理のレシピを紹介する長寿番組ですね。この番組で長年講師を務められた宮本和秀先生がこの春、2026年3月31日をもって番組を卒業降板されました。戦後、レストランの洋食を日本の家庭に紹介した料理研究家 宮本三郎氏が1962年にスタートさせた『キューピー3分クッキング』を1980年から引き継いだのが同じく料理研究家であり息子の和秀氏。以来45年という長きに渡り視聴者に簡単で美味しい家庭料理を紹介し続けた方ですね。

宮本先生は大学卒業後にフランスに渡り、レストランやベーカリーで2年間修業されたそうです。その修業先のレストランでのこと、大学時代にグリークラブだったことから挨拶代わりに即興で『オー・ソレ・ミオ』を歌ったところスタッフもお客も大盛況。フランスでは楽しく笑顔で食事をするものであることに感銘を受け、以来、美味しい料理で日本の食卓を笑顔にすることを信条とされたそうです。

そして『キューピー ラジオクッキング』の最終回の放送、この中でも宮本先生がとても印象深い話をされていました。45年前にこの番組の講師の仕事を受ける際に番組スポンサーのキューピーの創業者に近い方がこう語られたそうです「キューピーが作るフルーツの缶詰というものは中身が見えない。その見えない不安や恐さがありながらも缶詰を買ってくださるお客様にやっぱり美味しいフルーツだったと安心して食べていただきたい」宮本先生はこの言葉を聞いてキューピーとなら良きパートナーになれると確信したそうです。

「中身の見えない缶詰を安心して食べていただく」

見えない「缶詰の中身」は「人の心」とも例えることができそうな、とても貴重なエピソードでもあります。多くの視聴者に愛された宮本和秀先生、45年間お疲れさまでした。

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