年末恒例の「新語・流行語大賞 2025」が12月1日に発表されました。この賞の候補は『現代用語の基礎知識』(自由公民社・刊)より30語程度がノミネートされ、その中から選考委員会によってトップテンと年間大賞が選ばれるという今や年末の風物詩となったイベントですね。そして今年の大賞は、
『働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相』
史上初の女性首相の誕生という話題性を考えれば納得の選考ともいえそうです。いや、それはさておき例年のこと、仏教に関わる流行語というものがノミネートにすら挙げられないということはまことに寂しい限りであります。過去の新語・流行語大賞において仏教に関わるものといえるのは1994年のトップテン「大往生」(永六輔さん)くらいのものでした。
ところが昨今、意外にも世間の話題になっているイベントがあるようです。それは『輝け!お寺の掲示板大賞』なるもの。公益財団法人 仏教伝道協会が主催するこのイベントは2018年から始まり、応募は実際に掲示されているお寺の掲示板の画像を送るだけ。宗派を問わずユニークで機微に富み、心に残る、心に響くお寺の掲示板の言葉の中から大賞を選ぶイベントです。ちなみに2025年、今年の大賞作は、
『 自分ファーストという貧しさ 』
講評として「仏教の慈悲の精神においては、必ずしも自分がファーストではありません…」とあります。また過去作には「最近、お寺の掲示板に注目している」というタモリさんが一番印象に残ったという作品、
『 のぞみはありませんが ひかりはあります 』
(新幹線の駅員さん)
実際に駅員さんが使う言い回しであるところがいいですね、浄土真宗でいう阿弥陀さまの慈悲の光を指しています、お見事です。これらの作品は朝日新聞など多くのメディアでも取り上げられ、年々盛り上がりを見せているようです。『輝け!お寺の掲示板大賞』来年以降も注目したいものです。
それでは本命の『新語・流行語大賞』はどうするのか?大丈夫です、浄土真宗を信仰する私たちにはこの流行語をおいて他にはありません。
『 南無阿弥陀仏(合掌)』




