私たち真宗大谷派のご本山、東本願寺を訪れた方が素朴に抱く疑問があります。
「東本願寺は本堂が二つあるんですか?」
これは正解ともいえますが、もう少し詳しく説明を加えないといけないですね。
東本願寺の山門をくぐり広大な境内に入りますと、ほぼ中央に建つのが宗祖・親鸞聖人の御真影を安置する「御影堂(廟堂)」。この建物は正面76m、側面58m、高さ38mの規模をもつ世界最大級の木造建築物でもあります。
その御影堂の南側に建つのが御本尊、阿弥陀如来を安置する「阿弥陀堂(本堂)」になります。こちらは御影堂よりはひと回り小さいですが、それでも正面52m、側面47m、高さ29mの大きさを誇る巨大な建造物ですね。
東本願寺はこの御影堂(廟堂)と阿弥陀堂(本堂)が並び建つ〈両堂形式〉となっており、これは浄土真宗の特長の一つでもあります。本堂が阿弥陀堂と御影堂の二つあるということは、無量の救いをもたらしていただく阿弥陀さまと、それを信じることの価値をお教えいただく親鸞聖人という二つの「報恩」の対象があることを表しているともいえます。
さらに世界有数の木造大建築と紹介した御影堂について。御影堂は内陣・外陣に敷かれた畳の数が927畳あるといいます。なぜそのような広い空間を作ったのか。これは親鸞聖人の御真影を前にして、より多くのご門徒を一堂に会し「報恩」できる場所を提供するためと考えることができます。これもまた大衆に広く開かれた真宗の特長といえそうです。
御影堂と阿弥陀堂、さらに木造建築の山門としてはこれも日本最大級である御影堂門など私たちのご本山、東本願寺は見どころ一杯です。




