ハリウッド最大のスター、トム・クルーズさんが2025年アカデミー名誉賞を授与されることが先日報道されました。意外にもアカデミー賞とは無縁だった彼の映画界における長年の功績がついに公式に認められる形になりましたね。彼の代表作には『トップガン』『ミッション:インポッシブル』シリーズなど多くの名作がありますが、このブログに取り上げるとするならば迷わず選ぶこの一本。
『ラスト サムライ』
(2003年、アメリカ映画)
監督 エドワード・ズウィック、出演 トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之ほか。19世紀、南北戦争に参加した第七騎兵連隊のアメリカ人大尉が明治維新後の日本で侍たちと接触する歴史ロマン。
この作品をトム・クルーズの代表作に選ぶ方はおそらく少ないでしょう。なぜなら主人公ネイサン・オールグレン大尉を演じたトム・クルーズよりも、まさしく〝ラスト サムライ〟勝元を演じた渡辺謙、そして彼の側近、氏尾を演じた真田広之の二人のほうが圧倒的に存在感が際立っているからです。
それだけではありません。主人公ネイサンを常に監視している老齢の侍、役名は〝寡黙なサムライ(ポップ=オヤジさん)〟を演じたのは福本清三さん。映画公開当時は知る人ぞ知る東映京都太秦撮影所の大部屋俳優であり「日本一の斬られ役」ですね。この方がハリウッド映画の超大作に抜擢されたのはおそらく〝サムライ〟を描く映画にもっとも〝サムライ〟らしい役者を起用したかったからに違いなく、その佇まいは彼の生き様と相まってなんとも言えない味のある雰囲気を醸し出しています。
日本人キャストをこれほどまでにリスペクトし、輝かせてくれたハリウッド映画は他にそうはありません。日本人が目を疑うような誤った認識で描かれることが多い海外の〝サムライ〟映画ですが、この作品においては慣習や情景など日本文化を正しく描こうとする誠意も伝わってきます。これは映画作りに本気で取り組む優秀な映画プロデューサーがこの作品に関わっているからに違いないと想像できます。
そうです。この映画『ラスト サムライ』の筆頭プロデューサーはトム・クルーズさんですね。俳優としてだけではなく、映画人トム・クルーズとしての代表作に間違いありません。
『 私がサムライに注目するのは、彼らがその時代の芸術家だったからだ。武士道を読んで感銘を受けたのは「思いやり」について。「誰も助ける人がいないなら、外に出て助ける人を探しなさい」この言葉が私に響いた。私もそういう生き方をしようと心がけているんだ 』
ー トム・クルーズ