上屋のおばさん

【新関駅】- 新関駅(しんせきえき)は、岐阜県関市栄町1丁目にあった名鉄美濃町線の駅である。美濃町線の廃止にともない、2005年(平成17年)4月1日をもって廃駅となった。(ウィキペディアから引用)

地元、関市で生まれ育った私たち中高年世代にとって、この「新関駅駅前」という響きはとくに思い出深いものかもしれません。1970年代の駅前といえば、改札を出て商店街の東側にはバスターミナルがあり、本屋さんがあり、和菓子屋さんがありました。そして西側には——このブログの主人公、上屋のおばさんが切り盛りする上屋菓子店がありました。

このお店に立ち寄ると殆どの場合、上屋のおばさんは、お客さんなのか?ご近所さんなのか?誰かしらと世間話をしています。きっと誰もがおばさんの気さくで明るい人柄に惹き寄せられていたのでしょう。そして私たち小中学生もおばさんに構ってもらうのが楽しくて、このお店に通っていました。

上屋菓子店は調理パンや中華まんも扱っていたので、友人たちとお店に入り「おばさん、肉まんちょうだい」「僕、あんまん」「肉まん2つちょうだい」「僕、肉まんとあんまん」と声を掛けると、上屋のおばさんに、

「おまはんた、まとめてからいいんせえ!」

と叱られたことも楽しい思い出であります。さらに忘れられないのは小学4年生頃のこと、お店で友人たちといつもより多くの駄菓子を選んでいると、おばさんが目ざとくその様子を見つけて、

「おまはんた、遠足の菓子か?なんや幾らや?150円か?」

と声を掛けられます。そして悩んだ末に選んだお菓子をおばさんに見せると、

「おまはん、こんな同じようなもんばっか買っとったらあかんわ!」

とダメ出しされました。やがて6年生になり、同じように遠足のお菓子を選んでおばさんに見せると、

「なんや選んだんか?ふ〜ん、ええ買い方したわ、おまはん」

ようやくお褒めの言葉をいただきました。このときばかりは本当に嬉しかったですね。令和の現在では子供たちはコンビニで駄菓子を買うといいます。かつてはどの町にもあった駄菓子屋でのこのような体験が、今では殆ど無くなりつつあるのは些か寂しいことであります。

「新関駅駅前」の風景はずいぶん変わってしまいましたが、みんな大好き「新関駅駅前」の名物お母さん、上屋のおばさんの思い出だけは書き残しておかなければなりません。

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