目には青葉山ほととぎす初鰹 山口素堂
5月初旬の夏日を観測したよく晴れた日のこと。所用で奥美濃方面へのドライブ途中、山あいの道の駅で休憩しておりますと、
「キョッキョッキョッキョッ」
と、何処からかホトトギスと思しき鳴き声が。山間にこだまするほどの美しい鳴き声にしばらく聞き惚れてしまいました。俳句の世界では「ホトトギス」は夏の季語、主に初夏をあらわす五月の季語として用いられるようですね。
五月病たつのおとしご立ち泳ぎ 佐々木峻
万葉集などの古典に登場する「ホトトギス」もあれば、カタカナで表す外来語の季語もあります。「メーデー」という言葉もそのひとつ、5月1日に世界各地で行われる労働者の祭典のことですね。ところが皮肉なことに新年度の四月、新しい環境で一ヶ月を駆け抜けた社会人がゴールデンウィークが明けた頃に発症するのが「五月病」であり、この言葉も立派な季語のひとつであります。
新茶の香真昼の眠気転じたり 小林一茶
地平線まで吹き抜ける風五月 稲畑汀子
やはり五月の季語には「新緑」「若葉」「風薫る」など春から夏へと季節が移ろう清々しい気候をあらわす言葉こそ相応しいといえます。生命力にあふれた木々の緑、初夏の爽やかな空と風、季語に「五月」とあるだけでこれらの情景が目の前に広がる爽快な気分、四季を通してもっとも心はずみ胸おどる季節といえるかもしれませんね。
さて、浄土真宗の五月といえばこの日をおいて他にありません。1173年5月21日(旧暦:承安3年4月1日)、この日は宗祖 親鸞聖人の御生誕日であります。




