秋のお彼岸 2025

令和7年、秋のお彼岸を迎えます。
このお彼岸は9月23日秋分の日が中日(ちゅうにち)、前後三日間の9月20〜26日がお彼岸の期間となります。そしてお彼岸を迎える頃には、幾分でも気候が秋らしく和らいでくれていることを願うばかり、そんなあまりにも暑すぎる2025年の夏でもありました。

2025年の夏といえば、とある二本の邦画が空前の大ヒットを記録した夏でもありました。映画『国宝』と『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』ですね。どちらも観賞されたという方も多いのではないでしょうか。意外なことにこの二本の作品にはある共通点があります。どちらも主人公が「墓参り」をしているシーンが描かれているんですね。

歌舞伎の世界を描いた『国宝』の劇中では、主人公の喜久雄(吉沢亮)と二代目・花井半二郎(渡辺謙)、妻の幸子(寺島しのぶ)が初代、花井白虎と大垣家の墓参りをします。歌舞伎の名跡を継承することの重要性を表現する印象的な場面でもありました。

もう一方の『鬼滅の刃』においては映画作品のみならず、原作漫画、TVアニメシリーズを通して主人公、竈門炭治郎(かまどたんじろう)が墓参りをするシーンが何度も登場します。鬼の犠牲となった家族、旅の道中で出会った仲間たちの死、さらには自ら倒した鬼のためにお墓を掘り手を合わせる場面もあります。亡くなった人たちに想いを向けながら、自らの心の中にも区切りをつけていたのかもしれませんね。

お彼岸は、浄土に還っていかれた亡き人を偲ぶとともに、あらためて自らへの問いかけに耳をかたむけ、自分の生活を振り返る大切な時でもあります。炭治郎のように。

まだまだ残暑が厳しいようです。お寺やお墓参りにお越しの際は、くれぐれも熱中症対策にご配慮ください。

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