イマジン / ジョン・レノン
Imagine / John Lennon
(1971年)
(訳詞)
想像してごらん 天国なんてないと
簡単にできるだろう
地獄もない
ただ空が広がっているだけ
想像してごらん
みんなが今日この日を生きているところを
想像してごらん 国境なんてないと
むずかしくなんかないだろう
殺したり死んだりすることもない
宗教もない
想像してごらん
みんなが平和に暮らしているところを
夢だと君は言うかもしれない
でも僕ひとりじゃないんだ
みんなもいつか仲間になってほしい
そうすれば世界はひとつになるだろう
想像してごらん 財産なんてないと
君ならできるだろう
欲張ったり飢えたりすることもない
みんな兄弟なんだ
想像してごらん
世界はすべてみんなのものだと
夢だと君は言うかもしれない
でも僕ひとりじゃないんだ
みんなもいつか仲間になってほしい
そうすれば世界はひとつになるだろう
6月13日に放送されたNHKのドキュメンタリー『世紀を刻んだ歌 イマジン』は素晴らしかったです。2001年のアメリカ同時多発テロを契機にジョン・レノンの名曲「イマジン」に込められた平和へのメッセージをたどるこの番組は2002年の放送当時大きな反響を集めたもので、そのドキュメンタリー作品の再放送でしたね。
日本のある中学校では社会科の先生が「イマジン」の歌詞を教材として授業に取り入れている様子が紹介されていました。そして生徒たちが真剣に平和について自分の意見を発表していたんです。大人である私たちが意見を述べない訳にはいきません。
「イマジン」の歌詞には「国境もない、宗教もない、財産もない」というとても極端な表現があります。2001年当時のアメリカ政府が眉をひそめたくもなり、仏教を深く信心する私たちの中にも首をかしげる人がいるかもしれません。
しかしながらこの曲を何度も何度も聴き続けてきた私たちは気づいています。ジョン・レノンのあの優しい歌声と美しいメロディに込められた彼の思いがそのような上っ面の言葉の意味だけであるはずがありません。
「国境も宗教も財産もない世界なんてあり得ないけど、これらを理由に争うことはないと想像できるよね、とても無理だと思うことも、想像することはできる。何かを変えたいなら、何かを始めるなら、平和を願うなら、想像することから始めてごらん」
彼の伝えたかったことではないでしょうか。
まことに拙い意見ではあります。
番組に出演されていた著名人の言葉もとても印象に残りました。最後に紹介しておきます
『主義主張が異なる人でも同じ歌が好きだったり、同じ文学作品が好きだったり、そこに平和をもたらすためのヒントがあるんじゃないかなと。「イマジン」はその希望を代表する曲なのかなと思います』
〈芸人・又吉直樹さん〉
『「イマジン」は嵐の中の灯台のような歌だと思うんです。船が嵐に巻き込まれて、辺り一面真っ暗なときに、「イマジン」は遠くに見えている灯台なんです。航路は示してくれていないかもしれないけど、光は確実に見えている』
〈DJ・小林克也さん〉